鶏の砂ずりです。砂嚢とか砂肝とも呼ばれますが、歯の無い鳥類は砂礫をこの中にたくわえておいて消化しにくい食べものをすりつぶしてから胃に送り込みます。
そのため筋肉質でできており、コリコリした食感が特徴です。
ところで、この砂嚢の内側の皮の部分だけをはがして乾燥させたものは鶏内金という生薬として知られています。
その薬効としては、胃腸の消化力を高めるほか胆石や腎結石にも応用されます。日本では鶏内金を含む製剤は見かけませんが、砂ずりをよく噛んで食べることは、消化機能促進効果が期待されます。
尚、食べ物の消化に関しては胃腸の蠕動力のみならず消化酵素が大きく関わっています。人間の消化酵素は体温で一番よく働くように出来ていますが、20度以下の環境では活性がかなり低下してしまいます。消化不良の改善策としては、よくかむことで食べ物の断面積を増やすことと、酵素の活性を損なわないように食事中や食後に冷たいものを飲んで胃腸を冷やさないことが肝要です。