米燻童鶏

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 雛鳥を香辛料の入った塩水に漬けてから乾燥して、更に米、蓮の葉などでスモークして、最後に揚げてあります。香辛料やスモークの影響で何重にも味が加えられた上に、表面はぱりっとして肉質はジューシーという食感まで考えられた一品です。

 一般的に香辛料の役目としては、防腐剤的な効果のほか香りで食欲を増進するといったとらえ方をされますが、薬膳的には、良い香りは“気”の流れを整える作用があると考えられています。特に食事に於いて重要なのは、胃腸の蠕動運動がスムーズであることですが、食べたものが口から胃、十二指腸、小腸から大腸へと流れていくのも“気”の流れとされ、香りの良い食べ物は胃もたれを防いだり栄養要物の消化と吸収を円滑に行う効能があると考えられます(ストレスは“気”の流れを滞らせ、ゲップや胃もたれの原因となります)。

 現代栄養学的な発想では、食べ物は口に入れさえすれば、栄養素などが全部吸収されるという発想に染まりがちですが、薬膳的な考えでは、消化や吸収といった胃腸の働きが健全でなければ身体に必要な栄養素も十分に吸収されないほか、余分なものの排泄に支障をきたすと中性脂肪やコレステロールの値が必要以上に高くなったりもします。このため食べ物も大事ですが、胃腸の機能が正常であることが食べ物以上に重要と考えられています。

 よって薬膳で最も重視されるのは、その食べ物または食べ方などが胃腸の働きにマイナスとならないことです。ちょっと話が難しそうに思えてきたかもしれませんが、伝統的な食生活というのは、その地方や民族にとって理想的なものとなっていますので、それを基本にすればOKです。

 

 

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