ホウレンソウは寒くなればなるほど甘みが増し、ビタミンの含有量も増えます。
一般的には鉄分が豊富な野菜としても知られ、葉酸も多く含むので貧血の改善にもお勧めです。
ただし、日本食品標準成分表によると戦後、ホウレンソウの鉄分やビタミンCなどは減少し続けており、昭和25年と最新版の平成12年のものを比較しても数分の1という減り方です。
ただし、総てのホウレンソウの栄養成分が減少したわけではなく、季節外れのハウス栽培や化学肥料たっぷりで栽培されたものの比率が増えた結果だと思います。昭和25年当時と同じ条件、即ち露地栽培で、旬の季節に収穫されたホウレンソウだけを比較すれば、そこまで減少していることはないと思います。
現代の消費者が工業製品に慣らされてしまって、見た目や名前が同じなら中身も同じだと感じるようになったからかどうかは知りませんが、野菜というか天産物は生育条件などにより、味だけでなく栄養成分も想像以上に変わってくるものだということをもっと知っておく方が良いと思います。
ところで、ホウレンソウの薬膳的な効能は、滋陰潤燥、養血止血となっており、血を増やすことで身体に潤いをあたえ、更に止血効果もあるとされています。