6種類のキノコと髪菜(ファーツァイ)、厚岸のおおぶりの牡蠣の入った羮です。
髪菜とは、、一見、糸もずくを刻んだような外観から、そう呼ばれていますが、正体は中国の青海省や内モンゴルの草原に自生する藍藻の一種です。
中国語の発音では髪菜は、お金儲けを意味する“発財”に通じるため、特に香港などでは縁起物の食材として好まれ、牡蠣(広東語の発音では牡蠣=好市=景気が良い)と一緒に調理されることが多いです。
ところで秋は抜け毛などが気になる季節ですが、漢方では髪の毛は血の余り=血餘(けつよ)と言って、髪の毛のトラブルは基本的に血が不足しているか、あるいは血の流れに問題があると考えます。実際には、髪の毛が細くなってきたとか薄くなってきたというケースでは、血の量が減少することで、より血の流れが滞りやすくなっている=血虚血淤と呼ばれる状態で、髪の毛の問題だけでなく肩こりや頭痛、生理痛などを伴うことが多いです。また、円形脱毛のように部分的な抜け毛の場合は、ストレス性の気の流れの滞りが原因となることが多く、憂うつ感やイライラ、ゲップやガスなども発生しやすくなります。
因みに、髪菜にはビタミン、ミネラルが豊富に含まれるほか、牡蠣にも同様に亜鉛や鉄、銅といった造血に必要なミネラルが豊富で、血を増やす作用があるとされるほか、古来、女性のお肌を美しくする作用もあるとされています。