ゴボウはこれから旬の時期を迎えます。最近は、ダイエットがらみでゴボウ茶がブームとなっていますが、世界的に見てゴボウの根を普通に食べているのは日本だけといわれています(韓国や台湾、中国の一部地域でも食べることはあるそうです)。もともとユーラシア大陸北部が原産とされており、日本には縄文時代には伝わったそうですが、広く食用とされるようになったのは江戸時代からだそうです。
栄養成分的にはミネラル類(カリウム、鉄、マグネシウム、亜鉛など)が豊富なことと、なんといっても食物繊維が水溶性、不溶性ともに豊富に含まれています。このため整腸作用のほか、特にリグニンと呼ばれる不溶性の食物繊維は食後の高血糖を抑える働きも期待できます。
薬膳的には、寒性とされていますが、むくみをとる働きがあるとされ、また、味は苦、辛で結果的に、むくみやすい人が食べれば体が温まることもあります。
漢方の世界では、ゴボウの種子を牛房子とよび、生薬として用いられています。清熱解毒作用があるとされ、インフルエンザなどでのどが痛いときなどに応用されます。また、日本でも民間療法で授乳婦さんが乳腺炎をおこしたときに用いられてきました。
更に、昨年、富山大学などの研究で牛房子に含まれる成分に膵臓ガンを縮小させる働きがあることが確かめられたとの報告があり、臨床応用の研究が進んでいるようです。