サツマイモを鱧の身で巻いて揚げたものです。
鱧は、暑い時期には湯引きがあっさりしていますが、もともと淡泊な味ですので、さくっとした揚げものにも適した食材だと感じました。
サツマイモはこれからが旬ですが、食物繊維だけでなくビタミンB1、B6,Cなども豊富に含む上、これらのビタミンがデンプン質に囲まれているために、加熱によるビタミンの損失が少ないそうです。また、薬膳的な効能としては、芋や豆類共通の効能として、胃腸の働きを良くすることです。
ところで、自分の意志とは関係なく胃腸は働いてくれているので見落としがちですが、本来の食養生では何を食べるかも大事ですが、胃腸機能を損なわない食べ方も重視されてきました。基本は、胃腸の働きを良くしてくれる穀物や豆、芋類を主食にすること、毎日一定の時間に食事を摂ること(一定の時間と言っても、夜遅く食べるとかは問題外)、よくかんで食べること、冷たいものは食事中に摂らないなどなどです。更に昔なら心配する必要もなかったこととして、季節外れの食べ物、冷たいもの、農薬や食品添加物という名の化学薬品などの影響でも胃腸の機能は低下します。
現代の食育の議論でも、食品中の栄養面ばかりが強調されて、こういった胃腸の機能面の問題がおろそかにされているのを強く感じますし、それゆえいくら食育基本法を制定して予算をかけても子どもを中心にした日本人のからだの弱体化は進む一方となっています。