豆腐の表面をくり抜いて鱧のすり身を入れて炒り焼いた上から蝦子(シャァズ:エビの卵)ソースがかけられています。
蝦子は、乾物として中華の風味付けによく使われるほか、麺に練り込んだ蝦子麺などもポピュラーです。
ところで、薬膳的に考えると卵は、そこから生命が誕生するものであり、生命の根源物質ともいえる精という物質を含んでいると考えられます。この考え方は鶏卵などにおいて有精卵という言い方にも反映されていますが、タンパク質などの栄養素だけでは説明のつかない生命の元のような物質です。
漢方では、人間の老化は即ち精という物質が減少することであり、健康で長生きするためには精という物質を消耗せず、なおかつ精を含む食品を摂ることを心がけることが重要とされます。精を多く含む食品としてはナマコや魚の浮き袋、フカヒレ、燕の巣などですが、胃腸が丈夫で消化吸収力がしっかりしていれば普通の食材であっても、その中から最も栄養の濃い部分を精としてからだに取り込めることになっています(むしろ、高級食材を食べるよりも胃腸機能が正常に働くことの方が大事であるといえます)。