磯ツブ貝の醤油煮

120531 磯ツブ貝というのは通称で正式にはエゾバイガイという名の貝です。

 貝類はミネラル分が豊富で薬膳的には滋陰作用~からだを潤わす作用があります。また、写真の爪楊枝をうまく使って、殻の奥の方にある胆まで食べると清熱作用も期待できます。

 ところで、昨今の加工食品などにはミネラル分が殆ど含まれていないことは、以前紹介した本に詳しいですが、ミネラル不足はうつ病や神経痛、認知症から貧血、精神疲労、肌荒れ、口内炎などまで健康状態に大きく影響します。

 特に古来、海に囲まれて暮らしてきた日本人にとっては、遺伝的にミネラル不足に弱いとも考えられますので、本にも書かれていますが、ワカメや海産物、小魚などを毎日摂るようにするだけでも体調が良くなる人は多いはずです。特に、日頃の食生活がコンビニ弁当やファーストフード中心の方は、1日1食だけでも旬の野菜を入れて天然の出汁をとった味噌汁を食べることをお勧めします。

  近年、うつ病まで行かなくても精神的ストレスにさいなまれていると自覚されている方の話を聞いていると、ミネラル不足をはじめ食生活のひずみからストレス抵抗性が低下しているケースが多いように感じます。

 ストレスの影響を受けても、その人の体調によってダメージの受け方は違ってくるものです。漢方では全身の気の巡りをコントロールしているとされる“肝”と、気の主な発生源である“脾(胃腸)”の状態がストレス抵抗力に関係していますが、十分な栄養と正常な胃腸機能がなければ、“気”のパワーが低下するとともに“気”の巡りも滞りがちになり、“気”の巡りが悪くなる=うつ状態に陥りやすくなります。

 また、ストレスさえなければ健康でいられると思うのも間違いで、漢方では全くストレスのない状態を“安逸過多”といって致病因子の一つに数えられています。即ち、ストレスがない状態でも“気”が巡らなくなって病気になると考えられています。

 ストレスそのものは避けがたいものがあるかもしれませんが、食を中心とした養生をすれば、ストレス抵抗性が増すことは間違いありません。

 

 

 

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