レンコンを揚げて甘酢で味付けしただけのシンプルな前菜です。
甘酢味は極めてポピュラーですが、特に汗をかくシーズンには適しています。
漢方理論では甘い味と酸っぱい味の組み合わせは“酸甘化陰”と言って、体の中に陰=潤いを生じさせる働きがあるとされています。
更にレンコンそのものの薬膳的な効果として胃腸を丈夫にするほか、特に生のレンコンには暑気あたりの予防やからだの潤いを増やす作用があるとされています。
ところで、からだの水分が不足すれば水を飲めば済むように思っている方は多いですが、漢方的には飲んだ水の量の問題よりも、からだの水分保持能力を重視します。
乾いたぞうきんに水をかけてもしみこまないように、漢方で陰虚体質と呼ばれるタイプでは、いくら水を飲んでも水分を有効利用することができません。また、熱中症にもなりやすく、こういったケースでは、水分補給はもちろん大事ですが、滋陰薬や補陰剤と呼ばれるような水分保持能力改善作用のある処方で体質改善を図るのが基本となります。