香滑椰子花生糕

1204_2 ココナッツミルク(椰子汁)とピーナッツ(花生)、卵白でできたデザートです。

 ココナッツは言うまでもなく椰子の実ですが、漢方の世界では同じヤシ科のビンロウという植物の成熟した種子を檳榔子(びんろうじ)、果皮を大腹皮(だいふくひ)と呼び、むくみや体内にこもった余分な湿気を取り除き、おなかの調子を良くする効能があるとされています。

 椰子といえば常夏のイメージですが、暑いと水分の摂取量が増えるだけでなく、湿度が高くなると漢方理論では胃腸機能が低下するとされ、胃腸機能の低下は水分代謝の低下に直結します。そうなると、消化管の中に痰湿と呼ばれる‘水垢’のようなものが溜まって、更に胃腸の調子が悪くなるというのが漢方の考え方で、大腹皮などの適応になります(一般的な処方では六君子湯)。

 因みにココナッツミルクの薬膳的な効能は益気~気力を高めるということですが、胃腸こそは気力の発生源ですので、胃腸の機能を高めるという意味にもなります。30年ほど前までは、夏の生活で最も気をつけなければいけないこととして「おなかを冷やさない」事が口やかましく言われていたように思いますが、湿度の高い日本の夏はそれだけでも胃腸機能が低下するので、その上、おなかを冷やすと気力低下~夏ばてしやすくなるだけでなく、夏風邪やウイルス性胃腸炎にもかかりやすくなります。

 最近は、冬の寒い時期にショウガを摂っておなかを温めるのが流行していますが、冷たい飲み物を過剰に摂りやすい夏の時期こそ、おなかを冷やさないことが健康維持の第一歩です。

 

 

 

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