赤と白の紅芯大根、黄色い金針菜、柿などを細切りにしたものを湯葉で巻いてあります。
中国の風習に、新年を迎えると紅芯大根などの生野菜をかじって清々しさを味わうという風習がありますが、彩り(いろどり)も含めて新春らしい一品です。
さて、この新春に野菜を食べる風習がやがて、小麦粉でできたクレープ状のものにくるんで食べるようになり、次に油で揚げて食べるようになったのが春巻きです。つまり春巻きの春は新春の春です。
ところで、春の季節は五臓六腑の「肝」がポイントとなります。「肝」は自律神経と関連が深いとされており、冬の間はあまり気にならなくてもイライラや不眠といった症状が顕在化しやすくなります。そのほか、「肝」は目につながり、全身の筋肉とも関連が強く、目の疲れや筋肉の痙攣なども起こりやすくなります。
よって、春に向かってできるだけストレス(※)をためないことが重要となりますが、精神的にしんどいからといって家でごろごろするよりは、暖かくなってきたら自然の中を散歩するなど、からだを動かす方が全身の気の流れが良くなります。
(※:精神的なストレスの中でも特に「怒」(もともとの字義は“怒り”ではなく、自分の思い通りにならないことに対してイライラする状態を表しています)というストレスが「肝」に影響し、気の流れを滞らせることで様々な不快な症状が発生します。)