秋の味覚の代表、サンマ(秋刀魚)です。
写真は、新鮮なサンマを軽くスモークして湯葉で巻いた前菜です。
サンマはトビウオやサヨリなどの仲間ですが、脂ののりかたが群を抜いてます。
よく知られているようにサンマの脂にはEPAなどの血液さらさら成分が含まれており、昔から“サンマが出ればあんまが引っ込む”とも言われています。
ところで、血液の流れが滞った状態を漢方では“おけつ”と言い、肩こりや頭痛だけでなく、多くの疾患につながる要因とされています。
この血液の流れが滞る原因としては、単にコレステロールや中性脂肪が多い血液どろどろタイプだけではなく、ストレスが原因であったり、からだのエネルギー不足や潤い不足が原因となって、血液の流れが滞ってしまうパターンなど様々です。
特に現代日本人が“おけつ”になる原因としては、血液どろどろタイプよりも、ストレスで気の流れが滞り、血液の流れも滞りがちになる気滞タイプや、気のエネルギー自体が低下して血液をスムーズに流すことができない気虚タイプの“おけつ”の方が多いです(漢方では、血は気によってスムーズに流れることになっており、気の不足や滞りは血の流れに直接影響を与えます)。
サンマの薬膳的な効能としては気のエネルギーを補う作用もありますので、上記の気虚タイプの“おけつ”には適しているかもしれません。
※疲れやすい、かぜをひきやすいといった気虚の主な原因は、気の主な発生源である胃腸の機能低下であることが多く、たとえコレステロールや中性脂肪の値が正常値でも“おけつ”になりやすいです。