豚の肘肉(すね肉)と緑豆を使った前菜(煮こごり)です。
緑豆といえば、中国のはるさめの原料でもあり、新芽はもやしとしても利用されています。緑豆そのものの薬膳的な効用としては、体の余分な熱を冷まし、利尿作用もあることから暑気あたりの予防などにお茶としても、あるいはお粥に入れたりして利用されます。
夏の暑い時期以外では、お酒による二日酔いの防止効果も期待できることから、中国では民間療法として緑豆を末にして服用するなどされていますが、写真のように前菜に入っていると酒飲みには心強いかもしれません。
尚、緑豆の清熱作用は種皮の部分にあるとされ、緑豆から得られたはるさめやもやしには、そういった作用は期待できません(反対に言えば、からだを冷やす作用もないということです)。
更に、蛇足ながら、冷菜である前菜に二日酔い防止効果があるとはいえ、体を冷やす作用のあるものは良くないのではと思われるかもしれませんが、料理の順番から言えば、前菜などの次に温かいスープとなるのが普通ですので、そこで胃腸を温めて、メインディッシュにつなぐのが洋の東西を問わずセオリーとなっています(日常の食習慣で問題になるのは、最初から最後まで冷たい飲み物を飲んで食事をしたりすることです)。