鱧(はも)は大阪や京都の夏には欠かせない魚です。ウナギ目に属するだけに見た目は大きなウナギですが、その鋭い歯が特徴で、名前(はも)も“噛む”という意味の古語である“はむ”からきています。
夏バテ気味の時期に旬を迎える鱧は、さっぱりとした白身でありながら栄養価も高く、薬膳的な効能としては胃腸を丈夫にして気力を増すとされるほか、むくみを取る作用もあるとされています(鱧は生命力が強く、それだけでも気力をパワーアップさせてくれる効能がありそうです)。
さて、酢とトマトの酸味と辣油や胡椒の辛味の微妙な味のバランスが特徴の酸辣湯(サンラータン)ですが、薬膳的に言うと、辛味の発散作用で、湿気の影響で流れが悪くなる“気”の流れを良くして、収斂作用のある酸味は、汗が出過ぎないようにしているとも言えます(汗をかくと、からだから水分とともに気も漏れていきますので、汗のかきすぎは気力低下=夏バテの原因となります)。
因みに、最近はカレーにトマトを入れるのが流行っているようですが、酸辣湯と同じような効用が期待できます。また、タイ料理のトムヤムクンも辛さと酸味の組み合わせですが、高温多湿の地域には辛味と酸味の組み合わせは合っているようです。