羊肉のスープに羊肉の餃子が具として浮かんでいます。
羊肉は、北京など北方の冬の味覚に欠かせないもので、代表的な料理には羊肉のしゃぶしゃぶなどが有名です。
羊肉は、低脂肪でヘルシーなイメージがありますが、薬膳的には胃腸を中心にからだを温める作用が強いのが特徴です。
ただし、羊肉は消化するのに、それなりのパワーを要する食材ですので、胃腸が弱くて冷え症という方には、スープなど煮込んだものをお勧めします。
漢方でも、約2000年前の金匱要略に収載されている「当帰生姜羊肉湯」という処方があって、婦人の宝とも称され、血を増やす作用のある当帰(とうき)と生姜、羊肉を弱火で煮詰めて食するというもので、冷えと貧血の改善に用いられてきました。
ところで、「冷え症が気になる」方は多いと思いますが、「冷えて冷えて困る!」とおっしゃる方でも、よ~く話しを聞いてみると、手先や足先など末端だけが冷えるという方が意外と多く、これは貧血などの虚弱性からというよりは気の流れの滞りによる末端冷え症であることが多く、当帰生姜羊肉湯に代表されるような「からだを温める作用」のあるものより「気の流れの滞り(多くは慢性的なストレスによる)をほぐす」作用のある漢方薬の方が合っているケースが多いです。