大貝のニンニク蒸し

11126  写真の貝は、一般には大アサリとか大貝と称されることが多いですが、直径が10cm近くある巨大な2枚貝で、正式にはウチムラサキ貝と言うそうです。

 名前の由来は、見てのとおり、貝殻の内側が紫色をしているからで、アサリと同じマルスダレガイ科で、味も殆どアサリそのものです。

 一般的に貝類は、肝臓に良いタウリンやミネラルの含有量が豊富で、お酒のお供には適した食材です。また、漢方の世界では、アサリやハマグリなどの貝殻を乾燥したものを海蛤殻と呼び、粉末にして制酸剤として用いられるほか、化痰作用(熱が絡んで喀出しにくい痰を除く作用)や利水消腫作用があるとされています。

 ところで、春は肝の季節とされ、自律神経と関連の深い五臓六腑の肝の機能が乱れやすくなります。漢方では、肝に悪影響を与える因子としては、ストレス(特に鬱怒傷肝と言って、「怒」=自分ではどうしようもないことにイライラするというストレスが最も肝に悪影響を与えます)やお酒が代表的ですが、肝は「血の塊」でもあり、普段から血虚とよばれる血が少なめの方は肝にダメージを受けやすくなります(血虚とは、血の不足状態を指します。西洋医学的な貧血は血液中の赤血球の濃度のみを検査するもので、全体量として血が足りているかどうかはわかりません)。

 肝がダメージを受けると、イライラしやすいといった症状以外に、目が疲れやすくなる、筋肉が固くなって肩こりやこむら返りが起こりやすくなる、ゲップやガスが増える、便通が安定しないなどのほか、女性であれば生理前の胸や脇の張り、生理痛(開始時)などが起こりやすくなります。

 こういった症状に心当たりのある方は、肝に問題のあることが多く、気の流れを良くしてくれる香味野菜や柑橘類、薄荷などのほか、貝類もお勧めの食材です。

 

 

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