代表的な夏野菜のひとつであるナスは、インド原産で抗酸化作用に優れた成分を含み、紫外線や日差しが強くなる季節には適した食材です。
また、夏野菜だけあって薬膳的にはからだにこもった余分な熱を冷ます作用があるとされています。
暑い時期に、からだに余分な熱がこもるのは、言うまでもなく熱中症などにもつながりかねない訳で、“余分な”熱を冷ます事は重要ですが、それと同じくらい、もしくはそれ以上に重要なことは、夏の暑い時期でも、おなかだけは冷やしてはいけないということです。
そういう意味で写真のメニューは、おなかを温める作用の強い山椒の実のソースがかけられていますし、日本では昔からおろし生姜などの“薬味”がナスやキュウリにはつきものでした。夏の暑い時期には食欲もなくて、どうしても温かくはないものを口に入れることが多くなりますが、それゆえに、おなかを温める薬味や、ざるそばにおけるそば湯のような工夫がなされてきたわけです。