ニンジン、ダイコン、サトイモの3種類の根菜にそれぞれ、銀杏(ぎんなん)、貝柱、鹹蛋(シェンダン:塩漬けのアヒルの卵)が組み合わされています。
栄養学的に言えばダイコンは消化を助けるジアスターゼ、ニンジンはβーカロテンという事になりますが、中国語ではダイコンは蘿葡(ルォポ)、ニンジンは紅蘿葡(ホンルォポ)となり、薬膳的な効用としても共に胃腸の働きを良くすることとなっています。ついでに言えばサトイモも胃腸を丈夫にする作用があるとされています。
胃腸は湿気と寒さに弱いので、寒い時期にはどうしても胃腸の働きが弱くなります。よって根菜類を中心とした冬野菜は基本的に胃腸の働きを良くしてくれますし、栄養物の取り込みだけでなく、食べものから取り込まれる「気」のエネルギーも増大し、結果的に体を温める作用があります(日本でも昔から根菜類は体をあたためると言われています)。
最近は低体温の問題が取りざたされ、ショウガがもてはやされていますが、ショウガは「薬味」であって(日本では漢方生薬としてショウガを乾燥したものを用いますが、中国では生のままで生薬として利用されています)、即効性の点では優れていますが、もう一歩進んで日頃口にする食べものに気を配る方が無理なくからだを温めることができると思います。