フォアグラと鴨の肝をすりつぶしたもので茶碗蒸しのようなものを作り、その上からスープが注がれたものです。
フォアグラといえば世界三大珍味のひとつで、ガチョウ(カモ科の雁を家畜化したもの)や鴨に運動をさせないでエサを大量かつ強制的に食べさせることで得られる“脂肪肝”です。その歴史は古く、ローマ時代にまで遡るようですが、近年、ヨーロッパでは動物虐待に当たるとしていくつかの国では生産が禁止されています。
現代に於いては、いかにも高カロリーな食材ではありますが、成分的には動脈硬化の予防にも有益な不飽和脂肪酸の含有量が多く、動物性の脂肪の中ではヘルシーであるとも言われています。
ところで、時々「肝臓に良い食べものは?」といった質問を受けることがありますが、その人の肝臓の“状況”によってまちまちです。漢方的には肝臓は「血」のかたまりですので、貧血気味で肝臓が栄養失調のような状態になっている場合(肝血虚)や、反対にお酒や高カロリー食などで栄養過多から肝臓に熱がこもっていたりするケースもありますし・・・一概には言えません。前者の場合ですと、レバーを食べると良いとは言えますが、後者の場合ですと、酒や食べものを控える方が良いわけです。
更に、その方の基本的な体質や、生活環境によっても答えは違ってきます。日本人はどうしても「同質性」に慣れていますので、そういった発想がおきにくいのかもしれませんが、例えば「隣の人が・・・という漢方薬を飲んでよく効いたので、同じような症状なので私も飲みたい」と考えがちです。新薬は症状に対して、あるいは病名に対してある程度用いられる薬が決まってくるので、余計にそういった発想をする方が増えているのかもしれませんが、漢方では、症状や病名は同じでも人間が違えば、安易に同じものを服用しても効くとは限りません。