中華料理では、鹿のアキレス腱は北京の宮廷料理などにも使われ、どちらかというと高級感がありますが、豚のアキレス腱は上海や南方でポピュラーな食材です。アキレス腱まで食材として利用されるのかと思われるかもしれませんが、豚は基本的に“鳴き声”以外は総て食べられます。
アキレス腱自体には臭みも何もなく、コラーゲンの塊のような食感で、老化予防効果があるとされ、有名な“佛跳牆”の具として用いられる事もあります。
ところでコラーゲンといえば最近注目されているのが非変成2型コラーゲンと呼ばれるもので、コラーゲン含有と称するサプリメントの多くが熱処理などにより生体に存在するコラーゲンとは異なった構造に変成しているのに対して、特殊な処理方法で変成していない形で抽出されたコラーゲンです。ハーバード大学で行われた臨床試験では、この非変成コラーゲンは“変成”していないだけに、腸管で吸収されやすく、また、吸収されることで、自己の軟骨組織を異物と誤認して攻撃する事で発症するリウマチに有効であるというデータが得られたそうで、注目を集めています(機序については腸管に於ける免疫寛容が関係しているとされています)。