北京を始め中国北方で冬の定番デザート(甜品)のひとつ、クルミ汁粉です。渋皮を除いたクルミと乾燥ナツメ(大棗)の実が入っています。
クルミ(胡桃肉)は漢方生薬としても用いられ、体を温め補腎効果~腰やヒザの老化予防や、実の形が脳の形に似ていることから認知症の予防効果もあるとされています。その他にも乾燥性の便秘や咳にも有効とされているほか、美容効果も期待でき、かの西太后もクルミ汁粉を愛飲していたそうです。
形が脳に似ているからと言って脳に良いというのはいい加減な理論のようにも見えるかもしれませんが、例え形が似ていなくても漢方で補腎効果のあるものは基本的に脳の老化を予防する効果が期待できます。これは、漢方の理論によると、脳の老化の原因としては生命の根源とも称される「腎」の衰えがベースにあり、「血」の流れの停滞を伴うことで認知症などが発症するとされてるからです。(欧米の研究でも、クルミに含まれる栄養成分が高い抗酸化力を持つことなどから、認知症の予防効果があるとする研究成果が発表されています。)