百合根(ゆりね)、蓮根、薩摩芋などを、お酢をきかせたあん(醋溜)でまとめた五目野菜炒めです。
さて、百合根は関西で特に好まれる食材ですが、古くより漢方生薬としても用いられており、その薬効としては五臓六腑の「肺」に潤いを与え、空咳などに有効なほか、鼻や口、お肌の乾燥にも効果があるとされています。また、インフルエンザなど高熱を伴う病気の後にからだがすっきりせず、動悸や焦燥感、不眠などの症状が見られる時にも用いられます。
前回紹介した鴨肉もそうですが、漢方では口やお肌の乾燥に対しては水分を補うことよりも、からだのもつ水分保持能力を回復させることで潤いを取り戻すことを目指しますが、百合根もそういった効能を持つ食材の一つです。