中華料理のサツマイモを使った甜品のひとつに水飴をたっぷり使って、箸で持っても糸を引くような“抜絲紅薯”という料理がありますが、写真は甘み(水飴)を控えた上に香辛料を加えた前菜仕様で、日本の大学芋に似た仕上がりになっています。
サツマイモは新大陸原産ですが、今や世界の生産量の8割以上が中国で生産されています。その薬膳的な効能としては健脾益気~胃腸を丈夫にして気のエネルギーをアップするとなっています。
漢方的には胃腸(漢方の五臓六腑では“脾”)がしっかりしていない人を“脾弱=ひよわ”と言うくらいですから、胃腸がしっかりしていることが気のエネルギーが充実していることにつながるわけですが、この気のエネルギーとは、簡単に言えば体の機能面を支えるものであり、また西洋医学で言う免疫力も気のエネルギーによって発現すると考えられています。また、気は陰陽で言えば“陽”の性格を持っており、胃腸を冷やすことは気のエネルギー低下に直結します。よって、冷たい飲み物を飲み過ぎるとかぜを引きやすくなるわけです。
因みに、胃腸が人間のパワーの源であるという考え方は洋の東西を問わず共通であり、「ガッツがある」と言う時の「ガッツ」とは“guts”であり、はらわた、即ち胃腸のことを指しています。