酸梅湯(スヮンメイタン)とは北京の夏の風物詩の一つとも言える飲み物で、烏梅(うばい:梅の未成熟果実を薫蒸したもの)のほか陳皮(ミカンの皮を乾燥させたもの)や山査子(さんざし)を煮だして作られるもので、のどの渇きを癒すとともに体に潤いをもたらせる作用があるとされています。
ところで人間の必要とする水分ですが、一般的には水分が不足するのであれば水分を補給すればよいと当たり前のように言われますが、漢方的に見た場合、“水分保持能力”がない体質(「陰虚」体質と言います)の方は水分を摂ることも大事ですが、水分保持能力を上げるような働きをする漢方薬や酸梅湯などの食品を摂ることが重要と考えられています。
水分保持能力のない方(陰虚体質)というのは、夏はのぼせや動悸がおこりやすくなるほか、寒い時期は肺の乾燥からかぜをひきやすくなったり咳こみやすくなります。中年以降の方で、冬でも裸足で平気、または裸足の方が気持ちが良いという方がおられますが、これは一見元気そうに見えて、実は水分保持能力が低下している事による足の裏のほてりが原因であることが多く、体質改善しないと普通よりも早く老化が進行してしまいますので注意が必要です。