向かって左側はゴーヤーに豚ミンチと鹹蛋(シェンタン)を合わせたもの、右側は加賀太胡瓜にホタテのすり身を詰めたもので、蒸してから醤油ベースのソースが掛けられています。
こういった瓜の類にミンチを詰めて蒸し上げるというのは広東料理などでよく見られる手法です。
ところで、ゴーヤーや胡瓜などウリ科の野菜は基本的にからだの余分な熱を冷ます作用があり、昔から食養生の本には夏の暑い時期でもウリの類を食べ過ぎるのは良くないと書かれています。特に生のままで食べたり、加熱調理したものでも冷めたものを食べすぎると、おなかを冷やしてしまうので注意すべきであるとされています。
おなかを冷やすと消化酵素の働きが低下したり、腸内細菌バランスが乱れて胃腸機能全般に悪影響を与えるのは明らかですが、冷蔵庫が普及してから「冷たいもの」という概念が大きく変化してしまいました。即ち、「冷たいもの」を摂りすぎるとおなかをこわすと言った時の「冷たいもの」って、いったい何度以下を言うのかということですが、大半の方は冷蔵庫から出したてのものや氷の入った飲み物などを想像されることと思います。実際に、冷たいものはからだに良くないからお水でも「常温」で飲んでいますという方をよく見かけますが、食養生の理屈から言えば常温(何度を常温というのか難しいですが、日本薬局方では15℃~25℃を常温としています)でも、「冷たい」ものです。食養生的には、食品の温度に関して「冷(さ)めた」ら「冷たいもの」であって、何度と聞かれたら体温以下ということになります。