(チャイニーズレストラン聖兆さんのメニューより)
干しアワビの戻し汁をベースにした雑炊というかお粥です。
日本のお米は冷めても何とか食べられることから、おにぎり、お弁当という文化が古くからありましたが、中国のお米は粘りけに乏しく、冷めてしまったらパサパサになってしまうので、炒飯やスープご飯のような形にして食べられるのが一般的です。
このような主食であるお米の食べ方の違いは、単に調理方法の問題にとどまらず、食べものの温度という点で日本と中国の食習慣に大きな違い~日本では温かくないものを食べることに抵抗感がないですが、中国では温かくないものを口にする事を生理的に嫌う傾向がある~をもたらしています。
日本の場合は、お米の問題以外にも動物性の脂肪分を食べてこなかったという背景もあるのですが、いずれにせよ日本人の冷たいものに対する抵抗感のなさは世界的にも珍しいと思います。それに加えて、冷蔵庫とお茶や水のペットボトルの普及が重なって、現代日本は世界に例を見ないほど冷たいものを飲んだり食べたりする民族となりました。
それがどうしたと言われそうですが、漢方的に見た場合、こういった冷たいものの過食が、身体の中心である“おなか”を冷やして、あらゆる疾患のベースとなっており、特に花粉症やアトピーの蔓延から若腎虚とよばれる30代からの老化現象などには大きく影響しています。また、こういった生活習慣を改めない限り、漢方薬にしろ新薬にしろ、いくら薬をのんでも効果があまり期待できないと言えます。