(引き続きチャイニーズレストラン聖兆さんのメニューから)
深海魚である金目鯛は、白身の魚ながら脂がのっているというか、ゼラチン質が豊富で日本では煮付けにされることが多いですが、中国料理的には蒸し物が一番おいしいと思います。
また、付け合わせには山菜のウルイが添えられていますが、ウルイはその独特のぬめり感が特徴で、山菜にしてはクセもなく上品な味がします。
さて、薬膳的には、金目鯛に含まれるゼラチン質やウルイのぬめりなどねばねばしたものには“精”を補う作用があるとされています。“精”とは生命の根源物質とも言えるもので、成長や生殖能力、アンチエイジングといった生命力に直結する機能を発現するために必要な物質であり、カロリーや栄養学的な分析とは別の次元のものです。
薬食同源の思想が行きわたっている中華料理の世界では、こういった“精”を補う作用の強いもの~フカヒレ、ツバメの巣、魚の浮き袋等々~は、ほぼ例外なく「高級食材」とされていますが、理由はそれらの食品が生命力を増してアンチエイジングに直結するからです。