豚マメとは豚の腎臓のことで、腎臓の形が豆に似ていることからそう呼ばれます。豚でも、レバーくらいなら馴染みもありますが、腎臓は新鮮なものを念入りに処理しないと、臭みが残りますので、あまり市場には出まわりません。
写真の豚マメは、もちろんの事ながらクセもなく、鶏の砂ずりのような食感がしました。
ところで、漢方の考え方では五臓六腑の「腎」は生命の根源であり、人間の成長発育から生殖能力、免疫力などのパワーの根幹を担うものと考えられています。また、人間が老化することは、「腎」のパワーが衰えることであり、老化に伴って生じる腰やヒザのだるさや痛み、耳鳴りや、健忘、尿の問題(頻尿や尿漏れ)などの症状に対しては、「腎」を補う漢方薬なり食養生が必要とされています。
そういった意味では、豚マメの薬膳的効能は正に腎を補う「補腎」であり、具体的には腰痛などのほか、特に腎の水分代謝機能の低下からくる、むくみや下痢などに有効とされています。