クワイはしっかりとした芽が出ることから、縁起物として正月のおせち料理にも使われます(何を今頃、と思われるかもしれませんが、旧暦では今週の月曜日が正月朔日です)。
クワイは平安時代に中国から伝えられたとされていますが、一般的に食されるようになったのは江戸時代といわれています。成分的には豆類に匹敵するくらいタンパク質が豊富で、薬膳的に考えると胃腸の消化吸収力を高める作用があると思われます(基本的に、豆や芋類は胃腸そのものの機能を高める作用があり、現代日本人に胃腸虚弱者が増加している要因として、冷たいものの摂り過ぎとともに、日常の食事の中で芋や豆類の摂取が減少していることも影響しているように思います)。
生薬の世界では、クワイと同じオモダカ科の植物の塊茎を乾燥させたものに沢瀉(タクシャ)と呼ばれる、利水作用に優れた漢方の要薬があります。