甜品

1213 (「過門香」さんのメニューより)

 デザートです。マンゴープリンとココナッツプリン、杏仁豆腐などですが、8人の円卓に4種類のパターンで供されました。

 皆が同じ物を食べるというパターンに慣れきっている日本人の感覚からすると違和感があるかもしれませんが、中華料理というか中国的な発想の根底には、人間それぞれ好みも違えば、体質も違うので、それぞれに最も適した食べものは違うという考え方があります。

 こういった考え方の元をたどっていけば、殷王朝の時代の伝説的宰相として名高い伊尹(いいん)にたどり着きますが、伊尹は当初、料理人でしたが国王の主催する宴席に於いて、列席者の体質や体調に応じて適切に料理を分け与える能力に優れ、やがて宰相として抜擢されたという人物です(宰相という言葉の意味としては、君主に仕えて国政を任されるもののことですが、伊尹の故事から「必要な人に必要なものを分け与える」能力に優れた人ともされています)。

 ついでに言えば、薬膳なるものの考え方のルーツもここにあり、その時の体調に応じて、より適切な食事のメニューを考えることが重要であり、それぞれの人にとっての適切な食事の内容は違うということです。また、何も特別な生薬などを料理に取り入れることばかりが薬膳ではないということでもあります。

 

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