あんぽ柿は、簡単に言えば干し柿の一種ですが、中の水分が50%程度残っており、とろみのある甘さが特徴です。
さて、柿は昔から日本人の生活に欠かせない植物で、葉っぱは乾燥させて柿の葉茶にするほか、柿のへた(柿蒂:してい)はしゃっくりの特効薬として知られています。また、未熟な渋柿の絞り汁を発酵させた柿渋には防腐効果や防水効果があり、和紙や傘、漁網などに塗料として用いられてきました。その他にも、柿渋は日本酒を製造する時に濁りをとる清澄剤として用いられてきたほか、薬用としては下痢止めや高血圧などに応用されてきました。
漢方薬としては、上記の柿蒂のほか、干し柿の表面につく白い粉を柿霜(しそう)と呼び、乾燥によるのどの痛みや口内炎に有効とされています。
尚、一般的に柿は二日酔いなどによいとされていますが、おなかを冷やす作用がありますので、胃腸の弱い方はあまり多く食べない方が良いと思います。