(引き続き「翠園」さんのメニューから)
下半分が茶碗蒸しになっており、その上から松茸の入ったスープがそそがれています。
スープの効用としては、冷菜が主体の前菜で冷えたおなかを温めることと、スープに溶け出したアミノ酸などの刺激が消化管に伝わり、消化酵素の分泌や胃腸の蠕動運動など、食べものを消化吸収するシステムを活性化することが挙げられます。
普段の食事中に胃腸がちゃんと働いているかなど意識している人はいないと思いますが、食べものを消化吸収するシステムとしては、蠕動運動などの機械的な動きのほか、消化管ホルモン、消化酵素などの緻密な連携が不可欠です。特に、消化酵素が働かないといくら栄養のあるものを食べても吸収できなくなりますが、これらの酵素は20度以下では殆ど働かなくなります。何げなく口にしているビールやジュースですが、冷蔵庫からだしたてでは、5度から7度です。
よって、ビールで乾杯して、冷菜をつまんだ後に温かいスープを飲むのは極めて合理的であり、昔からコース料理の順番としてメインディッシュの前にはスープとなっている訳です。