地鶏と栗の蓮の葉蒸し

1022  栗の出まわる季節となりました。栗は縄文時代から貴重なデンプン質の供給源として食べられていましたが、薬膳的にも胃腸を丈夫にするほか筋骨を強くするなどの効能があるとされています。

 また、意外にも栗にはグレープフルーツ並みにビタミンCを含んでいるほか、渋皮に含まれるタンニン質には強い抗酸化作用が認められています。

 さて、日本の栗は大型ながら中国の天津甘栗などより甘みが少ないですが、調理法によって栗に含まれるデンプン質を糖分に変える酵素(アミラーゼ)が働き、甘みが増すことが確かめられています。具体的には、酵素が作用する40度~70度の温度の時間帯が長くなるように、茹でるなら中火でゆっくり茹でた方が甘みが増すほか、一番良いのは蒸すことだそうです。

 加工食品に慣れきっている現代人の目からは、食品の甘さは中に含まれる砂糖ほか甘味料の量に比例するのが当たり前ですが、自然の食材は保存方法(栗でいえば生の状態では冷蔵庫に保存しておくと甘みが増すとされています)や調理方法により、甘さが異なってきますし、栗の例で言えば、唾液中にもアミラーゼは含まれていますので、よくかんで食べることで更に甘みが増します(栗に限らず、お米などデンプン質のものは同じく、噛めば噛むほど甘みが増します)。

 ついでに、現代の食の問題のひとつに、食事の際の噛む回数がどんどん減ってきていることがあげられます。野菜や繊維質の食材の消費量が減って、加工食品など柔らかい食品が増えたことと、味付けが人工的になって、噛まなくても味を強く感じるようになったことなどが原因ですが、よくかんで食べないことは想像以上に健康に悪影響を及ぼします。「よくかんで食べる」メリット

 

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