ウズラは愛らしい小型の鳥ですが、本来は意外にも渡り鳥です。江戸時代には家禽として飼育されるようになりましたが、もともと渡り鳥だけあってか、ウズラの肉は鶏肉よりも栄養価が高く滋養作用に優れています。
また、その他にも薬膳的な薬効として、雨が降ると痛むような神経痛にも、体の中の余分な湿気を除くことで効果があるとされています(漢方理論では神経痛は主に湿気と冷えが悪影響を与えます)。
日本の風土の特徴として年中湿度が高いことを考えると、たとえ神経痛がなくても日本人には適した食材であるといえます。
因みに住んでいるところの湿気が高いからといって誰でも体の中に余分な湿気がたまるわけではなく、湿気が高い→胃腸の機能が低下する→胃腸の水分代謝の異常→からだに余分な湿気がたまるという理屈になります。湿気が高いと胃腸機能が低下するというのは、梅雨時には食欲がなくなるという状況を思い浮かべていただければわかるかと思いますが、胃腸の水分代謝と言われても分かりにくいかと思います。
一般的に、飲食物に含まれる水分は1日あたり2リットル程度とされますが、唾液だけで1日に1.5リットル分泌されるほか、胃液や膵液、胆汁などの消化液や粘液が1日に10リットル以上も分泌されますので、胃腸の中は水浸しです。飲食物から摂取した水分量は、尿や汗、呼気として排泄されますが、その他は腸管で再吸収されます。よって、胃腸の機能低下は水分代謝異常となって、下痢やむくみのほか、漢方の言葉で水毒とよばれるような余分な水分がからだにたまる原因となります。
余分な水分のうち湿気のような状態で体内にこもるものが気の流れを邪魔して痛みが発生するというのが、日本人に多い神経痛の発生パターンです。
よって、体内に余分な湿気をため込まないためには、胃腸の機能を乱さないことが最重要課題になり、その為には飲食にかかわる養生が大事というのが湿気の多い日本の養生法の基本となってきました。
ついでにいうと、胃腸の機能を保持する上で一番大事なことは、おなかを冷やさないこと~冷たいものを摂りすぎないことですが、現代日本ではこの部分がメチャクチャで、花粉症が蔓延する一つの原因となっています。