空芯菜と生ウニの炒めもの

804 茎の中(芯)が空洞になっていることからそう呼ばれる空芯菜は中国野菜の一つですが、近年日本でも栽培されています(因みに広東や香港では「通菜(とんちょい)」と呼ばれます)。

 苦みが少ない上に歯応えが良く、中華の炒めものには欠かせない素材です。栄養面でもホウレンソウに比べてカルシウムやビタミンCが2倍から4倍も含まれています。

 また、ウニは世界の消費量の大半を日本が占める食材ですが、栄養学的にはカロテノイド(ビタミンA)、ビタミンE、タウリン、鉄分などが豊富で、空芯菜とウニの組み合わせは天然のマルチビタミン+ミネラルといった感じです。

 ところで、サプリメントとしてのビタミンやミネラルと食品中に含まれるビタミンやミネラルは同じもののように思っている方が大半ではないかと思いますが、例えサプリメントに「天然ビタミン」と表示されていても、結論から言うと物質的にも効能的にも食品に含まれるそれらの成分と「同じ」とは言えません。

 ある種のビタミンやミネラルが吸収されて生体内で活性を示すためには、食品中に含まれる他の似たような成分の存在(ビタミンEと呼ばれるものだけで何種類もあって、尚かつ化学的な構造式は同じでも立体的には異なるものの存在まで数えるともっと多くの種類に分けられます)や、そのビタミンやミネラルの吸収を促進するような物質が同時に存在する必要があり、単一の成分として抽出又は合成されたサプリメントは、同じ量であれば食品中に含まれるそれらの成分より必然的に効力が劣ると思います。

 一方、食品の形で摂取すれば良いと言っても、収穫されてから時間が経てばたつほどビタミンなどは壊れていきますので、見た目は同じ野菜でもビタミンの含有量は何倍も違うと言うことも起こりえます。特に野菜ジュースをはじめ加工食品などでは野菜や果物に含まれる有用な酵素類は加熱によって分解されますので、パッケージにいくら原料の野菜や果物の美しいイラストが描かれていても、中身は別物と言って良いほどのものであったりします。

 

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