(「香味」さんのメニューから)
最近、あちこちのレストランで見かけるようになった「よだれ鶏(口水鶏)」です。唐辛子や山椒、ニンニク、胡麻などが複雑に入り交じった味で、四川料理好きにとっては、パブロフの犬状態(=よだれがでる)になるのもうなずけます。
こういった料理が流行るのも、日本人がどんどん辛い物好きになっていることが背景にあると思いますが、漢方的な見方をすると、社会にストレスが充満してきていることと無縁ではありません。
これは、一般的に辛くて香りの強いもの(香辛料)には、「気」の流れを良くする発散作用があって、漢方ではストレス=「気」の流れの滞りですので、慢性的にストレスがかかっている人は無意識のうちに辛いものを欲するようになる傾向がみられるからです。
ただし、日本人の根本的な特性として「胃腸が弱い」ので、辛すぎるものや刺激の強すぎるものは、「気」の滞りを発散させても、「気」の発生源である胃腸の機能を低下させてしまうので注意が必要です。