ジャガイモと中国セロリ(芹菜)を細切りにしてネギ油などで和えてあります。胡椒のように見える黒い粒々は、蝦子~エビの卵を乾燥させたもので、独特の風味があり、調味料的に使われたり、広東などでは麺に練り込んだり(蝦子麺)もされます。
ジャガイモは中国語では「土豆」と言いますが、デンプン質を豊富に含み、ヨーロッパでは主食のひとつとして食べられています。
さて、何げなく使っている「主食」という言葉ですが、具体的には米や小麦などの穀物のほか芋類などを指します。また、これらに共通していることはデンプン質を豊富に含んでいることです。では、何故、デンプンが「主食」なのかというと、体内で消化され、脳の唯一の栄養源であるブドウ糖になるからです。もちろん、アミノ酸を含むタンパク質や、脂質、ビタミン、ミネラルなども欠かせない栄養素ではありますが、ブドウ糖がなければ脳が働きません。それゆえ、「主食」であるわけです。
ところで、現代栄養学を元に「主食」の意議を説明すれば上記のようになるわけですが、現代栄養学以前から「主食」は「主食」であったわけで、これは人類の長い歴史の中で様々な食べ物を取捨選択してきた結果であるわけです。また、「地産地消」という言葉は、それぞれの地域で暮らす人々の栄養代謝もそれぞれの「主食」を最も効率よく利用できるような消化吸収システムをもっていると考えられることを示しています。
こういった人類の長い歴史過程を無視して、栄養学だけでメニューを組み立てると、一見合理的に見えて、実はそれを食べる人にとって大きなストレスとなるのではないかと思います。早い話が、世界中の食材が手に入る現代日本に於いて、食育の重要性が叫ばれていますが、ここのところをもっと見直さない限り解決策は見いだされないと思います。
因みに、漢方の世界では少なくとも数千年前から、人間の食べ物について「水穀」と呼び、水と穀物が基本であるとしています。