3種類の瓜〜加賀太キュウリ、トウガン、マクワウリにそれぞれ、カラスミ、毛蟹の身、金華ハムを挟み込んだものにジュンサイをあしらって、上湯(シャンタン)ソースで仕上げられています。また、両サイドに飾られているのは、アスパラソバージュというハーブだそうで、アスパラガスと同じユリ科の植物で、柔らかくてクセのない味です。
さて、夏野菜の代表であるウリの類はこれらの他にも、ニガウリや冬瓜、ヘチマなどがありますが、どれもがからだの余分な熱を冷ます作用があります。ただし、同じウリ科でもカボチャは基本的に温性とされていますが、東洋種では涼性とも言われています。
人間が病気になるというのは、大きくは陰と陽のバランスの乱れであり、夏の暑い時期には余分な熱を冷ますことが必要になりますが、「熱を冷ます」作用のある食べ物は温野菜として摂っても、その性質は変わりません。
また、人間は体温以下のものより、体温以上の温度のものを摂ることが難しく(早い話が、お腹が冷えるからといって熱湯を飲むことは出来ません)、結果的に口に入るものは体温以下のものが多くなり、胃腸を冷やしがちなので、暑いからと行って物理的に冷たいものを飲んだり食べたりするという養生法はありません。
もちろん、年がら年中冷たいものを飲み食いしていても、それで健康であれば良いのですが、何らかの不調などがある時は、まず「体温以下のものを飲んだり食べたりしない」方がからだには良いはずです。