前菜の3品目は、このブログでも何度か登場している白切鶏(パイチィジィ)です。一般的には蒸し鶏と呼ばれることが多いですが、蒸すのではなく、沸点以下の低温で鶏肉にぎりぎり火が通る程度に茹でて作られます。
調味料といっても、塩、生姜、ネギなどのほかはマイカイカのリキュールや紹興酒などが使われるくらいで、いたってシンプルな料理です。
基本的には丸鶏の状態で茹でる方が、身が縮みにくいのと、皮の部分に含まれるゼラチン質が溶け出して、冷菜として供された時に、ゼラチン質が煮こごり状になって、しっとりとした仕上がりになります。
そのままでもおいしいのですが、付け合わせとしては生姜と白ネギを刻んだものに熱い油をかけて冷まして塩を加えたものや、豆板醤ベースの辛めのタレなどが定番です。
さて、これから暑くなると冷たいものを食べることが多くなりますが、そういったものを食べる時にはお腹を冷やしっぱなしにしないことが重要です。日本でも昔から、ざるそばにそば湯、お寿司にガリやアガリ、冷や奴におろし生姜やネギというように、冷たい食べ物には熱い飲み物や、薬味と呼ばれるおなかを温める作用のある付け合わせが付き物でしたし、中華でも冷菜にはマスタード、唐辛子、ニンニク、生姜、ネギなどで味付けするか、付け合わせるのが基本になっています。