(大阪のホテルの中華の続きです)
炒飯に関しては、お米一粒ずつがパラパラになっているのが良いとされていますが、粘度の高い日本のお米で作るのは難しい面があります(家庭でする場合は、ご飯に日本酒をふりかけてから炒めるとダマになりにくいです)。
そもそも中国のお米や香港や東南アジアで主流のタイ米では、冷めると硬くなって食べられないので炒めて炒飯にするわけで、パラパラにもなりやすいと言えます。
要するに日本と中国では食材としてのお米の種類が違うわけですが、このことは食習慣に予想以上の違いを生じさせています。
つまり、中国ではご飯は冷めると炒飯にするかお粥にするか、いずれにせよ再加熱して食べざるを得ませんが、日本ではお弁当にしてもおにぎりにしても多少ご飯が冷めてもお米の粘度が高いためにそのままでも食べることが出来ます。
主食であるお米にこのような違いがあることで、中国では冷めたものを食べる習慣がなく、反対に日本では冷めたものでも平気で食べる習慣がついたと言え、そのことが冷蔵庫の普及などをへて今日の世界に類を見ない日本人の冷たいものの過食につながっているように思います。
冷たいものを過剰に摂取すると胃腸が直接冷やされることで、消化酵素の活性が低下して食品中の栄養をからだに取り込めなくばかりか、漢方では「気」のエネルギーの低下から免疫力などの低下にまでつながると考えられています。
話しが大げさに聞こえるかも知れませんが、日本中で花粉症やアトピーが蔓延しているのも、冷たいもののとりすぎが大きな要因を占めているというのが漢方の考えです。