(引き続き、大阪のホテルの中華です)
エビのマヨネーズ風味のフライ〜簡単に言えばエビマヨです。中華の中では比較的新しいメニューのひとつですが、「千島汁蝦仁」などと表記されることがあります。「蝦仁」とはエビのことで、「千島汁」とは千=サウザンド、島=アイランドで、サウザンドアイランド、即ちサウザンドアイランドドレッシングを直訳したものです。
中華にマヨネーズの類を応用するのは、香港か広州が発祥だと思いますが、マヨネーズ自体はフランスが発祥とされ、卵黄、酢、油だけからこのようなソースを作り出すというのは、さすがフランスという気がします。別の見方をすれば、生ものや冷たいものはからだに悪いという中国的な発想からは、加熱も発酵もしていない生卵を使うというのは考えられないとも言えます。更に言えば、マヨラーなる人達が大勢居る現代日本人の感覚からは、マヨネーズを炒めものに使うというのも奇異な感じがするかも知れません。
「食」は「習慣」の部分がいかに強く影響するかということですが、現代日本人は目先の食習慣にとらわれて、民族のもともとの食習慣を忘れ去ってしまったところに現代日本の「食」の問題の根っこがあるように思います。