鶏湯(ジィタン)をベースに下仁田ネギなどを加えてとったスープに広東白菜、クコの実(枸杞子)、鶏肉(手羽中)を入れて壷蒸しにしたスープです。長時間蒸すことで素材の繊細な滋味がスープに乗り移り、上品な味のスープに仕上がっています。
ところで、中国語で「スープ」は「湯」ですが、漢方薬も煎じ薬は葛根湯などのように「湯」と表されます。日本ではスープは「食品」で漢方薬は「医薬品」とされていますが、中国の感覚では共に「身体によいもの」で、強いて言えばスープの中であまり美味しくはないけれど、身体により強く作用するものが漢方薬であるという感覚になります。
そういう考え方がベースにあるので、同じ食べるなら身体によいものを、という考え方になり、必然的に自分の体調や食べ物の性質というか「作用」に目が向くのですが、日本の場合は、「食べ物」を「カロリー」もしくは「栄養素」として捉える傾向が強くなります。
それを科学的と言えばそうかもしれませんが、1つの食品に含まれる成分は数千種類にのぼり、その中のビタミンやミネラルだけを調べても、その食品のごく一部でしかなく、食品の持っている作用というものは科学的に分析しきれないのが現実です。
その分析しきれないものを、あたかも総て分析したかのような前提で話が進むのですが、もう少し東洋的にというか、マクロ的な観点で食品を見つめる必要があるように思います。