黒米は古代米とも言われますが、普通のお米よりも小粒で玄米のぬかの部分にブルーベリーなどでお馴染みのアントシアニン系の色素を含みます。
最近は健康ブームにのって栽培量が増えてきているそうですが、その昔は、この黒米を神様にお供えしたそうで、その名残が現代の赤飯だと言われています。
薬膳的というか五行説では「黒」は生命の根源とも呼ばれる「腎」の色で、黒豆や黒胡麻などとともに、生命力を養う作用(簡単に言えば身体を元気にする作用)があるとされています。
ところで漢方の考え方では食べ物の栄養以外に、特にその食べ物のもつ「気」を重要視します。考えてみれば色とは光の波長であり、「気」の一種とも考えられますが、とにかく生命が持つ「気」というものも食べ物を通して体内にとり入れていると考えます。
そう考えると、現代の「食」の問題点の一つは、あまりにも物質偏重で、食べ物が本来持っている「気」を全く無視しているところにあるとも言えます。即ち、化学的に合成された味や色、或いはホルモン剤や抗生物質漬けの上、狭いところで飼育されている家畜など、まともな「気」が宿っているとは思えません。