(丸の内の筑紫楼さんのメニューから)
筑紫楼さんは「Sharks Fin Chinese Restaurant」と名乗られているくらいフカヒレ料理に定評がありますが、写真はコース料理の最後にでてきたフカヒレ入りのあんかけ麺です。
そのもの自体には殆ど味がないフカヒレですが、素材が高価なために、フカヒレ料理では必然的に高級なスープが使われ、「おいしい」ものになります。
世間ではあまり認識されていませんが、スープこそが中華料理で最も重要なベースになり、フカヒレ料理店に限らず、スープの善し悪しがそのお店のランクに直結します。
ところが、人工の調味料が開発されてからは、手間暇にコストをかけたスープも、人工調味料をお湯に溶いたものも、一般の人にとっては区別が付きにくくなってしまい、中華に限らず、スープを重要視しない傾向にあります。普段から加工食品などを食べない人は人工調味料の「味」はよくわかるはずですが、食べている時には気づかなくても翌日などにすごくのどが渇く場合は人工調味料が多用されています。
話は飛びますが、特に現代人は食事の際に「あまり噛まない」のが普通になっており、あまり噛まないと言うことは柔らかくて味付けの濃いものがますます好まれるようになり、必然的に人工調味料を多用した食品が出まわり、これがまた、味付けが濃いためにあまり噛まなくなるという悪循環を生んでいます。子どもの頃から柔らかい物ばかり食べていると、食べ物の本当の味が分からなくなって、ますます人工的な味付けの物を求めるようになりますが、食品メーカーにとってはその方が好都合なのかも知れません。