上海蟹というと、すぐに姿蒸しを連想される方が多いと思いますが、本場の中国では上海蟹のミソ(蟹黄)や身(蟹粉)をほぐしたものを使った料理のほうがメインになります。
中でもカニミソは特に精巣や卵巣を含み、これらは漢方的には「精」を補う作用が強いと考えられ、強精作用があるとされています。日本で強精というと精力増強的なイメージが先行しますが、漢方でいう「精」は生殖能力の元になるだけでなく、人間の生命力の根元的な物質と捉えられており、「精」を補うことは免疫力の強化やアンチエイジングにつながります。
特に冬の季節の養生ということでは「精」をたくわえて、来るべき活動期である春にそなえるべき時期とされていますので、冬の寒い時期には運動も控えてできるだけ滋養に富んだものを食べるのが正しいとされています(日本では冬の寒い時期でも早朝から散歩などに励んでおられる方を見かけますが、冬の寒い時期にはあまり動き回らない方が良いというのが漢方の養生の基本です)。