(引き続き、銀座のお店のメニューから)
日本でも蒸し餃子や焼売といった飲茶メニューは手軽に食べられるようになってきましたが、中国ではこういった麺類や点心を専門に作る人を料理人の中でも麺点師と呼び、専門職としての地位が確立されています。
中国語で「麺」というと、小麦粉を練ったものを指し、それを細長く伸ばせば拉麺(ラーミェン)、円盤状に薄く伸ばせば餃子や焼売の皮になります。因みにパンは中国語で麺包(ミェンパオ)になります。
今や一般的になった「麺」ですが、歴史的に見ると唐の時代くらいからようやく食べられるようになったもので、当時は(というか近代に至るまで)高級食材でした。これは、まず小麦粉を石臼などで挽くところからはじめる必要があったのと、出来上がった「麺」類を保存する技術がなかったためですが、江戸時代でもうどんやそばを食べるというのは大都市以外では、祭りの時など年に数回程度であったといわれています。
さて、麺食の文化は中国を起源としますが、その後シルクロードを通じてペルシャ→アラブを経てイタリアに伝わったとされています。ラーメンとスパゲッティ、餃子とラビオリが似ているのもうなずけます。ただし、イタリアには焼売に対応するものが見あたらないような気もしますが、これは焼売が「蒸す」という中華料理ならではの調理方法抜きには作れないからかも知れません(意外に思われるかもしれませんが、「蒸す」という調理技術を自在に操るところに中華料理の最大の特徴があります)。