(引き続き筑紫楼さんのメニューから)
フカヒレの姿煮です。一般的な広東料理では上等な上湯(シャンタン)スープを醤油ベースの味付けにしたものとフカヒレの組み合わせで、スープの色ももっと透明で赤味がかっていますが、このスープは潮州料理のスタイルで、ゼラチン質が豊富な極めて濃厚なスープが使われています。
潮州は広東省の東北部の福建省に近い沿岸部にあって、独特の潮州語が話されるほか、フカヒレ料理を始め広東料理とは一線を画した海鮮料理が有名です。また、東南アジアの華僑は潮州出身者が多く、東南アジアのチャイナタウンでは潮州語がとびかっています。
さて、フカヒレそのものもゼラチン質が豊富ですが、スープにも鶏や豚肉に含まれるゼラチン質がたっぷり入っており、このメニューは薬膳的に考えると人間の生命力の根源物質である「精」を養う作用、簡単に言えばアンチエイジング作用があります。