筑紫楼の前菜盛り合わせ

Photo_13 (東京の丸ビルにある筑紫楼さんのメニューから)

 筑紫楼さんは広東料理のお店ですが、広東料理の特徴は豊富な海鮮料理と子豚や鶏、アヒル、鵞鳥などをローストしたものなど、油っこくないあっさりした料理が多いことです。

 このため、香港のレストランなどでは大型の熱帯魚のようなカラフルな魚が水槽の中を泳いでいたり、アヒルや鵞鳥を丸ごとローストされたものがつるされていたりします。

 「脚のあるものは椅子以外、空を飛ぶものは飛行機以外」なんでも食べるといわれますが、広州あたりの野味(野生動物)専門店になると、レストランの入り口付近にペットショップと見間違えるくらい様々な動物が生きたまま檻に入れられて並んでいたりします。(もっとも、SARS騒動の時に、これらの野生動物とSARSのウイルスの関連が指摘されてからは、ハクビシンなどはいなくなったそうです)。

 欧米人から見れば、日本人がクジラを食べる事が野蛮だと非難の対象になりますが、食材というか、食習慣というものは民族や個人の主観により相当なへだたりがあります。ただ、「食べる」ということは基本的に植物であれ動物であれ、「命をいただく」ことだと気づかされる点では、レストランの入り口に生きた動物が並んでいる光景ほど象徴的な事はないとも感じます。

 反対に言うと、日本では魚でも肉類でも、あまりにも「きれいな」形でスーパーに並んでいる事が「食」の混乱の一因になっている面もあるような気もします。

 
 

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