筑紫楼のフカヒレ

Photo_14  東京の丸ビルにある筑紫楼さんの入り口に展示されている巨大なフカヒレです。説明書きによりますと、ノルウェーで水揚げされた体長12〜15mのウバザメの尾ひれを、大連で6年がかりで乾燥させたものだそうです。

 もともとフカヒレは、広東省の沿岸部で食べられていたローカルな食材であったのが、清朝になってから宮廷料理に加えられるようになり、全国的に食べられるようになったのはそれ以降のことです。

 フカヒレは最近の中国の経済成長により、値段が高騰していますが、サメのヒレにすぎないのに何故に高価かというと、何度もお湯につけながら皮をはがして、臭みを抜くのに相当な手間がかかるからです。また、食材として人気がある理由は天然のゼラチン質の塊であり、そういったものを食べることで人間の生命力の根源物質である「精」が養われるという考え方があるからです。

 日本でも俗に栄養のあるものを食べると「精が付く」という言い方がありますが、この「精」というのは人間の成長・発育・生殖能力の原動力であるばかりか、人間の老化とは「精」が減少していく過程であるとされています。即ち、「精」を補える食材を食べる=アンチエイジングになるわけです。

 中国ではこういった考え方が人々にしみ込んでいるために、必然的にフカヒレや魚の浮き袋、ツバメの巣といったような食材が高級食材として人気が高まるという事になります。ついでに言えば、「精」は五臓六腑の「腎」におさめられており、特に五行説では「腎」=「冬」ですので、冬の間に「精」を補うのがよいとされています。

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