揚げ豆腐と海老芋、カラシナ科の芥菜という野菜と、上海蟹のカニミソ(蟹黄)の土鍋煮込みです。
海老芋(えびいも)は京都の伝統野菜として有名ですが、特殊な栽培方法により芋の形がくの字に曲がっていることと、表面の縞模様が海老のようなのでそう呼ばれています。一般的な里芋に比べてきめが細かくヌメリも強いのですが、このヌメリの正体はムチンという物質で、胃の粘膜や呼吸器の粘膜を保護する作用があります。
薬膳的にも里芋には胃腸の働きを良くするという作用があるとされていますが、五臓六腑の関連から言えば胃腸は肺の親とも言える立場にあり、胃腸機能が弱いと肺など呼吸器の機能も低下します。よって、空気が乾燥してくるこれからの季節は、極力胃腸を冷やさないようにしないとかぜなども引きやすくなります。